|
川本氏:翻訳は、仕上がって来るまではその出来上がりの把握が難しく、ブラシアップが必要だと分かった時点では、すでに納品ギリギリ・・・・。オープンな翻訳環境では、ひとつのセンテンスが翻訳される毎に、常にチームのメンバーの目に触れます。他人の翻訳を利用できると共に、自分の仕事が常に厳しいチェックに晒されることになります。これはかなりきついプレーシャーを受けながらの仕事になりますね。しかしプロとしては当然でしょうし、こうした厳しい作業環境ということは、翻訳とQAが常に同時進行していることになります。出来上がってみたらQAも埋め込まれている、大変画期的なことですが、翻訳者にも管理サイドにも厳しい作業環境ですね。
|
|
|
川本氏:品質とコストは常に同時に語られますが、トラドスはすでにコスト削減を支援するツールとしても広く認知されています。この品質とコストの面でサーバーバージョンは、どのようなメリットがあるとお考えですか。
|
| 山口氏:まず、先ほど申し上げたように、メモリーを共有することで作業工程がさらに合理化されます。つまり、メモリーをリアルタイムで共有することで翻訳がより均質になり、その結果これまで必要だった検査作業の負担が軽くなります。これは確実なコスト削減ですよ。翻訳メモリーのリアルタイムでの共有は、品質も向上させます。それは、納品までの時間短縮にもつながります。 |
|
|
川本氏:チームによる、オープンな翻訳作業は、翻訳者の対応も変わらなければいけませんし、翻訳作業を推進する側にも、管理面で新たなチャレンジとなります。この変化の波を認識していち早く対応する翻訳会社でないと、生き残っていけないかも知れませんね。
|
| 山口氏:現在のトラドスを導入したときには、ともかく使うことが先で、運用手段を完全に確立するまでに5年かかりました。サーバーバージョンも同様に、新しい運用形態を確立する |
 |
| のに時間がかかるだろうと考えています。品質管理については、カスタマの協力も必須項目になります。たとえばこれまでのようにコメントシートなどでお客様から事後にフィードバックを受け取るかわりに、翻訳メモリーにアップされている翻訳を作業途中で直接お客様に確認していただいて、すぐにフィードバックをいただくことも可能になります。つまり、サーバーバージョンは、お客様と翻訳者が作業段階から共有することで、ドキュメントを共同で作りあげることを可能にする新しい品質管理環境といえます。 |
| 川本氏:合理的な運用手段を確立することが、サーバーバージョンのトラドスを有効活用するためのキーとなるでしょうね。 |
|
山口氏:そうですね。そこがサーバーバージョンの最大のキーですね。これを確立するためには、実際に始まった運用の中で1つ1つ問題を解決する手順を育てていかなければなりません。サーバーバージョンのトラドスがこれからの産業翻訳のベースになることは明らかです。ひとつの翻訳メモリーの翻訳ユニット数の上限やひとつのサーバーに置かれた複数の翻訳メモリーの同時使用、日-英と英-日での動作状況は特に問題ありません。今は品質の向上の点で、作業者との協働の手法を確立する、次のステージに取り組んでいます。
|
| 川本氏:コムサス社が、TM Server活用の先駆者として、どのようにサーバーバージョンの運用形態を確立していくか、とても楽しみです。 |